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段原紙増産

世界の段ボール増産情報

  ■ 世界の段ボール増産情報

 

2020年11月30日

 中国

山鷹国際の広東省肇慶工場に於いて21年年末に稼働予定の最新マシンの詳細が公表された。マシン幅9.3m、抄速1200m/分の大型マシンで高強度ライナーを製造し製造量は1920㌧/日で年産65万㌧となっている。

芦林紙業は江西省の上饒市の工場に於いて年産30万㌧のPM5を稼働させた。抄紙幅8650mm、抄速1300m/分、ローカル古紙100%を使用し60~100g/㎡の強化芯を製造する。同マシンは2010年まで年産17.5万㌧の新聞マシンとして稼働しており13年に芦林紙業に売却されている。資金不足により転抄は延期され、19年に計画が再スタートした。

玖龍紙業は広東省東莞市にある基幹工場において40万㌧のパルプ設備増設計画を発表した。総投資額5.48憶人民元で20万㌧のCTMPマシン2機を導入予定だ。排熱回収ボイラーも増設され370㌧/日のドライパルプが製造可能となる。同工場には16機の製紙ラインが設置されており、560万㌧の段ボール原紙と25万㌧の非塗工上質紙を製造している。

浙江景興紙業はマレーシアセランゴール州に80万㌧の再生パルプ工場を建設する。1憶9100万㌦の6年社債を発行しVoith社製OCC原質設備と中国製のドライヤーを導入する予定だ。設置予定マシンは2機で2021年年末の稼働を目指す。

 東南アジア ラオス

太陽紙業(サンペーパー)は11月末にラオスのムアンピン工場に於いて建設中の段ボール原紙マシンを稼働させる。年産40万㌧のVoith社製マシンでさらにもう一基、合計2機のマシンが建設中だ。2機目も同量の年産40万㌧規模となり来年の第1四半期稼働予定としている。抄紙品目はAOCCをベースとした高強度ライナーとなっており同工場ではすでに30万㌧のBHK、40万㌧の再生パルプマシンが稼働をしている。中国のラオスからのパルプ輸入関税は元来0%となっており無税で輸入できる上、段ボール原紙もRCEPの合意により今年12月1日より0%に変更となる。

 台湾

栄成紙業は台湾林二工場にて2.45億㌦を投じた年産20万㌧の低坪量中芯マシンを来年初旬稼働開始する事を発表した。同工場は自社中国工場向けに年間30万㌧の再生パルプを製造しており、今回の中芯マシンが稼働すれば同社の総生産量は300万㌧を超える。17年の環境規制以降中国での原料調達に苦戦した同社は多額の損失を出し、減資、香港での上場を断念せざるを得ないなど資材調達など方針転換を迫られていた。 

 ロシア

ロシアの新聞マシンが中芯マシンに転抄されている。新聞の需要は世界的に縮小傾向にあり、新型肺炎の流行によってその縮小スピードは加速した。ロシアに於いても新聞価格の値下がりは深刻で、来年の中国古紙輸入禁止により中芯需要が高まることから採算性の高い中芯マシンへの転抄が相次いでいる。ロシア新聞用紙最大手であるKondopoga newsprint社は中国向けに中芯原紙の販売を開始し、来年四半期までに年産量の半分にあたる68万㌧を中芯に転抄する。

さらにSolikamskbumproms社及びVolga社も中芯を製造開始しておりVolga社はその70~80%を中芯に割り当てているという。両社の中芯抄造は改造を伴わず、新聞の需要が戻れば新聞製造を再開できる。Solikamsは年産56万㌧、Volga社は37万㌧であり実際の新聞生産量は10万㌧を切っているのではないかと報道されている。

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