■ 中国国内古紙市況:寒冬の影響で古紙回収量減少
2017年12月20日
冬季に入り例年に比べ気温が低かったことにより燃料価格が上昇及びその他要因により、古紙回収量にも影響が出た。12月9日の週以降製紙メーカーの古紙在庫が減少し購入価格は平均で250RMBから450RMBの値上がりとなった。原紙価格は古紙及び原料価格の上昇に伴い月初一時的に若干上昇したが需要は弱く12月12日の「電商節」いわゆる(第二の独身の日)を境に緩やかに下落した。
段ボール古紙(A級 工場損紙・段ボール90%)の価格は1950~2240RMB(\33.15/kg~38.08/kg)レンジで推移している。
電商節以後古紙価格は軟化傾向にあるが製紙メーカーの古紙在庫が依然として少ない為、大幅な値下がりはなく、全体的には上昇傾向が続いている。古教科書等は200RMBほど上昇、新聞古紙その他上物古紙価格は据え置き。上物古紙価格:古教科書2530RMB(\43.01/kg) 新聞2400RMB(\40.8/kg) 上白古紙2650RMB(\45.05/kg)
一方日本国内製紙メーカーは12月古紙が潤沢に入ったことにより在庫に余剰感があり年末は例年に比べ早めに荷止め、中国向けの輸出が停滞する1月初旬はさらに古紙価格が下落する可能性がある。当社台湾工場及びその他企業も12月日本からの古紙輸入が多かったことに合わせアメリカからも大量のオファーを受けており古紙在庫が余剰となっており価格は大幅に下落している。
1月船積み分の組合落札価格はCIF$202、店頭19.5/kg(CY20.8-9)、玖龍(美国中南)社だけが他の中国系メーカーと異なり今後彼らの価格動向は気になるが、マーケット全体として年明け後の古紙動静は1月輸出が鈍化し価格が下落、2月中旬船着分以降の中国向け古紙価格が若干回復、秋口には加熱する可能性が高い。長期的にこの中国向け政府の環境対策や締め付けが製紙産業の淘汰、南方移転に如何に影響を及ぼすのか調査を継続したい。
こちらは噂話ではあるが12月出荷分の関東組合入札後、美国中南社がMIXについてNo10.(OMG)品質にて今後出荷をするようにアナウンスしている件においてAPP社が中央政府に問い合わせしたところ、同様の輸入方法は却下されたとのこと。MIXの情報に関しては様々な噂と憶測が飛び交う中本当のところは未だわからないままとなっている。