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古紙国際価格大幅下落 $40~60㌦以上下落も インド都市封鎖で古紙購買ストップ 

インド都市封鎖

  ■ 古紙国際価格大幅下落 $40~60㌦以上下落も インド都市封鎖で古紙購買ストップ

2021年5月11日

インドに於いて新型肺炎が爆発的に感染拡大した事で都市封鎖が再開され、製造業は労働者不足によって稼働を停止、あるいは時短操業せざるを得ない状況に陥った。製紙工場の稼働率は50~60%前後まで落ち込んでいるという。さらに物流や港湾も機能を停止し、物資も不足している。消費も大きく減退した事によって段ボールの需要も大きく減少した。

インドは欧州古紙を主に購入しているが船足が30日以上かかるため、ロックダウン前に購入した古紙が大量に到着し港に滞留し始めている。

また中国の製紙企業が3月下旬よりインド産の再生パルプの購入を控えており、一時500㌦を超えていた再生パルプ価格も420㌦から430㌦レンジまで下落。200㌦前半まで古紙購入価格を下げなければ採算は合わない。インド側の希望価格はAOCC#11で230㌦付近となっており、サプライヤーと折り合いが合ない状況となっている様だ。 現在のインド向けBit価格は240~255㌦前後だが、数量面ではほとんど成約されておらず、インド製紙企業は一切古紙を買わない(買えない)状態だ。 

行き場を失った欧米古紙は東南アジア製紙企業にオファーされ、同エリアの製紙企業も情報を掴んでいることから大幅な値下げを要求している。現在のアジア相場はAOCC CIF ASIA $230~260で40~60㌦前後下落し、今や遙かに割高感が出ているJOCCへの引き合いが一気に消失した。4月中旬のJOCC相場はCIF ASIA $240~290㌦、CY 21.5~22.0/kg円前後だったが、今後4~5円程価格が軟化し、古紙問屋店頭で国内建値(18円)を2~3円前後割り込む可能性は高いと思われる。

一方で中国国内では通販需要の拡大から5月に入り段原紙の値上げが発表された。これから徐々に需要期に向かっていくものと見られる。中国からの輸入原紙需要が強くなれば古紙価格の下落に歯止めがかかる可能性があるが、一番の要素はやはりインドの感染状況が改善するかが影響してくるだろう。

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