古紙輸出市況:欧州古紙値上がりをきっかけに価格急上昇

  ■ 古紙輸出市況:欧州古紙値上がりをきっかけに価格急上昇

2021年3月20日

旧正月明け徐々に上昇を始めた輸出古紙価格が3月に入り、EOCC価格の上昇を皮切りに20-30㌦ほど高騰した。アジアでは通販販売と脱中国や先進国の都市封鎖によって振り替えられた製造業が活況で、段ボールが不足している。

旧正月前に古紙買い付けの手を緩め原紙の在庫調整をしたが、思いのほか旧正明けも需要が強かった。そこへ欧州イギリスのEU離脱によりフランスやドイツに古紙が輸出されづらくなったこと、通販需要の拡大や経済活動の再開により両国で段ボール原紙の需要が好調になったことで、古紙サプライヤーが強気な価格姿勢を見せた事が原因だ。 

アジアメーカーは割安感のでた米国古紙にオファーを出したが、思うようにAOCCは調達できない状況だった。 北米ではアジア向けのコンテナが引き続き取りづらく、メキシコやブラジルなど南米からの引き合いが強い事に加え、ドレー会社は運賃の安い古紙を運搬するより休業手当を貰った方が割がいいため、貨物を運ばないなどの問題も重なった。また西海岸港湾の混雑とコンテナ滞留問題は解決しておらず、多くの本船が沖合に係留されており、旧正月が明けから船会社が再度中国向けの空バン回送を優先されている。

欧州古紙は品質要求が低く比較的運賃の安いインド向けに古紙を集中させている為、古紙不足が深刻なアジアメーカーは3月に入り各社古紙の購入価格を引き上げた。

世界中で物資不足、運賃、副資材(化学品やその他原料)が上昇した事により、様々な製品が値上がりしている。パルプ価格はBHKで1000㌦超え、UKPも850㌦を超える水準まで暴騰し、さらに4月出荷分も各社値上げを打ち出している。

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