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古紙市況

古紙市況 輸出古紙価格高止まり 台湾で古紙不足

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  ■ 古紙市況 輸出古紙価格高止まり 台湾で古紙不足

先月台湾で古紙価格が急高騰した事を発端に韓国、ベトナムでも高値がつき古紙輸出相場は㌔当たり4-5円程跳ね上がった。現在は横ばいから若干調整が入る値動きが見られるが、大きく値崩れする気配はない様だ。

近年アメリカでは中国の古紙輸入禁止によって古紙がゴミ化する懸念から、官民一体で国内消費を増やした事、国内で景気回復と通販需要の拡大によって古紙の消費が増え輸出量が減少した。さらに東南アジアに建設された中華系再生パルプ工場がAOCCを買いあさっており、米国古紙は高止まりしている。 

台湾に合わせるように購買価格を上げた韓国製紙企業は、ある程度古紙の調達が済んだと見られ、上がりすぎた価格に約-10~15㌦程調整が入っているが、台湾では間もなく秋需に入る事や、古紙の発生が各国で少なく供給が足りていない事から日本品への引き合いは引き続き強い状況だ。

現在の古紙相場はJOCC CIF VIETNAM $310-315(CY27.5-28.5/kg) CIF TAIWAN $280-290 (CY27.5-28.5/kg)、CIF INDNESIA $315-320(CY28.0-28.5/kg)となっている。

台湾に於いて特に古紙が不足している背景に、栄成紙業が台湾国内で3機目となるライナーマシンのテスト抄紙を開始した事が大きい。年間20万㌧の生産規模で本格稼働は9月となる見込みだ。

栄成紙業は2015年に30万㌧のマシンを増設し35万㌧体勢となっていたが、今回二林工場の増設で台湾島内に於いて85万㌧の生産規模となった。同社の増産により台湾国内の古紙需給は非常にタイトな状況となっており、さらに梅雨に入った関係から古紙の発生が減っている事も重なった。

米中貿易戦争による脱中国需要と、新型肺炎による通販需要(内需)の拡大によって2020年の台湾の段ボール消費量は22億9000万㎡で年間成長率は9.6%と高成長となっている。

栄成紙業は2017年、中国の古紙の輸入ライセンスが取得できなかったことにより収益が悪化、台湾島内に原紙と再生パルプの生産をシフトする動きもあった。今後は製函生産を強化しグループの一貫化を強化していく。

台湾内での箱生産は3憶6000万㎡から5億7000万㎥に強化、中国に於いても武漢と長沙で2つの製函工場を建設予定としている。製紙は無錫栄成(生産能力90万トン)、平湖栄成(生産能力90万トン)、湖北栄成(生産能力115万トン)、台湾二林工場(生産能力65万トン)の4つの工場があり、2024年には385万トンから420万トンに増産する。カートン生産能力は台・中合わせて8億5000万平方メートルから12億4000万平方メートルに増加すると予測されている。同社の自社BOX生産比率は、台湾で約35~40%、中国で約12%となっており、今後は50%、20%に引き上げる計画だ。

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