■ ベトナム 新型肺炎の拡大深刻化 厳格な都市封鎖を9月15日迄延長
2021年8月22日
ベトナム政府は都市封鎖措置を9月15日まで延長し、新型肺炎の感染拡大を封じ込めるため、さらに厳格な規制を行う事を閣議決定した。
ベトナム・ホーチミンでは7月9日以降厳格なロックダウン措置が布かれたものの新型肺炎の拡大は終息することなく、夜間外出禁止令・区をまたぐ移動禁止・工場の運営規制など、厳重化が続いている。午後6時~翌日午前6時までの夜間はスーパーやオフィスなども活動を停止させ、原則的に外出は認められていない。
閣議決定の内容によると8月23日以降は、日中であっても市民の外出は全面的に禁止される。ベトナム政府は封鎖期間中、軍を動員して食料の配給と防疫指導を行う計画だ。
一方生活必需品が入手できなくなる混乱を防ぐため、配車アプリを活用した日中の必需品配達は許可された。これまでは宅配業者が検問で罰金支払いを命じられるなど問題となっていたが、必需品輸送の従事者は対象から除外され、運送が可能となる。 しかし今後さらに厳格な都市封鎖が実施される不安から、都市封鎖が厳格化される前日にはスーパーに長蛇の列ができた。
ベトナム全土で広がる感染拡大と、移動制限による物流麻痺で、食料品などの生活必需品の流通にも影響がでている。特にコメは収穫期を迎えるが、規制によりサプライチェーンが寸断状態となっており、流通量が激減している。コメの流通業者も社会隔離措置により、収穫や輸送の人員が定期的な新型コロナ検査で陰性証明書を取得しなければならず、操業を止めているという。 ベトナム食糧協会によると、精米施設を運営する加盟120社のうち5割が操業を停止。操業を続けている施設も、精米量が半減している。
工場の稼働停止で輸入コンテナの引き取りに支障が出るなど、滞貨拡大により港湾混雑が悪化している。南部カトライ港を運営するサイゴンニューポートでは、大型貨物の引き受けを停止し、荷主に対して輸入貨物の早期引き取りなど、混雑解消に協力を呼び掛ける通知を出した。 エッシェンシャルと認められ、比較的稼働が許可されていた段ボール工場に於いても操業停止が相次ぎ、原紙の流通も停滞している。