■ ベトナム都市封鎖再開も、急稼働せずスロースタート 段ボール企業もフル生産には至らず
10月22日
ベトナムでは10月1日以降では都市封鎖が解除され工場が稼働を始めているが、急稼働とはならずスロースタートとなっている。
同国では7月中旬に感染状況が悪化。1日の新規感染者数はピーク時に約1万5千人に上っていたが、直近1週間は平均3千人程度まで減少、3ヶ月以上に及ぶ都市封鎖は段階的に解除される見込みで、工場もワクチン接種を一回以上うけた従業員は出社してよい事となった。
しかし、某アパレル企業では3万人を超える現場作業員を完全に管理しきれず、出社のシフト管理に混乱が生じているほか、長期間工場に泊りがけで出社していた社員が地元に帰省しすぐに出社しないケースもあるそうだ。 また都市封鎖期間中は多くの出稼ぎ労働者が帰郷し、ハノイ市から32万4千人、ホーチミン市から29万2千人、南部他省市から45万人が古里に戻っていたといわれている。 そういった田舎に帰郷した従業員のワクチン接種が遅れている事から、社員の再出社に対する心理的抵抗感もあるとのことだ。
様々な業種で再稼働が慎重に行われている中、段ボール企業の稼働率も3割程度に留まっている企業も数多くあり、都市封鎖解除後も原紙・古紙共に急激な回復と価格リバウンドは今のところ発生していない。
長期間に及んだ都市封鎖は企業の業績に大きく影響を及ぼした。今年は残る2ヶ月で遅れた生産と売上ダウンをどれだけカバーできるかが重要となる。企業は「復職手当」をだすなどして地方から通勤する社員の復職を促している。