■ 東南アジア市況:ベトナムで地元回収古紙価格が高騰
2020年12月25日
ベトナムを始め東南アジアの地元回収古紙が250㌦レンジに突入したという情報が入ってくるようになった。古紙不足からローカルの価格が上昇し、輸入価格より高い価格になっている。
よく考えるとつい最近まで東南アジアの地元回収古紙の価格など気にした事もなかった。ベトナムではKOAが稼働を開始しテスト抄紙を始めた。輸入ライセンスはまだ取得できておらず、地元古紙によるテスト抄紙の結果、環境試験等をクリアできればライセンスが交付される見込みだ。現地での競争力には輸入古紙のライセンスを取得できるかどうかがコスト競争力を含め大きな要素となる。
かの中国でも2016年の「独身の日」騒動以前は中国のローカル古紙価格に注目は集まらなかった。中国の爆買いは世界的古紙価格高騰を招き、地元回収古紙は常に輸入古紙よりも高い価格を維持、輸入量と反比例する様に価格が変動した。環境規制開始後輸入ライセンスは大手中心に交付され、安価な輸入古紙を入手できる事が競争力となった。また世界の古紙価格もこの大手製紙メーカーの調達姿勢によって大きく左右される事となった。中国が古紙輸入禁止になる直前に発生したこの古紙価格の上昇は、新型肺炎や古紙不足による特殊事情が招いたこととは言え意味深だと感じる。現在の古紙価格は海上運賃に相殺され売値が高騰している感覚は薄い。
しかしベトナムでの地元回収古紙の高騰とライセンスの重要性も話題にあがるなどまさに第二の中国となるような現象が垣間見え、その影響力が強くなっているように感じているのは私だけだろうか。