■ ベトナム 都市封鎖を9月30日まで延長
2021年9月17日
ベトナム最大都市ホーチミンでは8月23日から都市封鎖が厳格化され、地域ごとに従業員の通勤が制限されるなど、生産現場に影響が出ている。市民の移動制限は今月15日を期限としていたが、さらに期限を延長し30日まで継続する事を決定した。
各家庭には生活必要物資を軍などが配給しているが、同市の15日の新規感染者は5301人で、国全体(1万585人)の半分を占め高止まりし、感染は終息していない。国全体のワクチン接種完了率は5%強にとどまっており、ワクチン接種遅れが大きな問題となっている。
生産活動は従業員が寝泊まりして働く工場隔離などの対応が要請されている。宿泊施設や食事の提供など、工場隔離の要件に対応できない企業は、操業をできておらず生産活動に影響がでている。 生産を継続する企業も十分な従業員を確保できず、稼働率は低い状態だ。
ベトナムの生産活動の停滞は日本にも影響を及ぼしている。UNIQLOは17日から販売予定だった秋・冬物商品80商品のうち、4商品の発売延期を発表した。ベトナムに進出している包装資材(段ボール製造会社)も稼働率が50%を切っており、8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、前月から4.9低下の40.2となり3カ月連続で指数が50を下回る景気停滞の状況が続いている。
8月のIIPを業種別でみるとコンピュータ・電子製品は前年同月比7.0%低下、木材・木製品は6.8%上昇、繊維は0.7%上昇とわずかに上昇、履物は28.3%低下、自動車部品は3.1%低下となった。地域が明暗を分け、感染拡大が深刻な都市部に近い製造業ほど影響が大きい。国内向けが中心の食品(15.2%低下)、自動車(11.6%低下)、二輪車(11.3%低下)も生産が減少した。