■ ベトナム古紙を含むスクラップの輸入に環境保証金制度を導入
2022年1月15日
ベトナム政府は10日、金属スクラップ、古紙を含む固形廃棄物原料を輸入する業者は、輸入されたスクラップから生じる環境汚染リスクに責任を負う事を担保するため、輸入総額に応じて10~20%の環境保証金を供託する法案を施行した。
法案は2015年6月19日に施行され、水、大気、土地の環境維持を目的に関係省庁による法施行の手順を規定した環境保護法08/2022/ND-CPを補足するもの。
新規定では各船積みごとにベトナム環境保護基金、または証拠金受け入れ基金を開設する信用機関に供託金を供託する必要がある。供託額は金属スクラップの場合、500~1000㌧未満の輸入に対し仕入れ総額の15%、1000㌧以上は20%となる。古紙及び廃プラは100㌧未満につき15%、100㌧から500㌧未満は18%、500㌧以上は20%となる。上記以外の廃棄物原料は一律仕入れ総額の10%を供託するとしている。
供託金はベトナム通貨で払い込みをし、返還される際に規定の金利を受け取る事ができる。証拠金受け入れ組織は税関の輸入許可書と供託人による返還要求に基づきその返還を行うものとする。 貨物の輸入許可がなされず、シップバック或いは滅却処分の決定がなされた場合、供託金はその費用に充てられ、不足する場合は輸入者がその差額を支払う責任を負う。また輸入貨物が虚偽、あるいは法令に違反して輸入された場合供託金は没収され、その処分費用は別途輸入者が負担するとされている。
昨年8月、ベトナム政府は固形廃棄物を原料として製造を行う場合、使用する原料の20%は国内の廃棄物を利用する事を義務化、輸入原料は最大80%までに限定し輸入割当制度を適用する事発表した。この法改正はその規制案の一貫で、輸入割当制度は2025年1月1日から適用される。
ベトナムでは以前より廃棄物原料を輸入する場合、シップバック費用を担保するデポジットが義務付けられていた。今回廃棄するための費用が盛り込まれたことで供託金の額がさらに増加する。