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マーケットハイライト:米国古紙船積前検査一カ月停止

  ■ マーケットハイライト:米国古紙船積前検査一カ月停止

2018年5月31日

アメリカの再生原料廃棄物の輸入に多くの違反があったことを受け、5月2日中国税関本部からアメリカでのCCIC(中国船積前廃棄物検査)の実施を1ヵ月間停止する旨の発表がなされた。実質的な禁輸措置により中国国内の古紙は急高騰し一時OCC 3,450RMB(\55.2/kg)を超えた地域もあった。

原紙価格も高騰し連休明け2週間たつ頃には11%の値上げとなっていたが、突如22日中国税関から米国品はカナダの検査機関の検査を受けて出荷することを許可する旨の規制緩和措置が発表された。21日の通商協議声明発表後、23日に米国からの大豆や石油製品が輸入緩和され米中の緊張が緩和されたさ中の禁輸解禁、環境政策も対米政策に利用されていたのだろう。

解禁後、中国国内古紙価格は急高騰から一転やや下落傾向へと落ち着きを見せているが、依然価格は2,700-3,100RMB(約43-50円)と近い高い水準で推移している。一方東南アジアは行き場のなくなった米古紙が破格でオファーされた為に下落後上昇基調ではあるが、二極化の進んだ価格帯にうまく仕入れを行わなければならず立ち回りが難しい状況を迫られている。

GW期間中に発表された米国品古紙の輸入禁輸措置は業界を震撼し中国国内の古紙と原紙価格の急高騰を引き起こしたが、先日の規制の緩和措置発表を受け急高騰した古紙価格は調整の局面となっている。しかし食品や石油製品、ハイテク製品と異なり廃棄物原料の輸入総額は米中貿易の中でもごくわずかな部分しか占めておらずまた環境保護という大名目のもと今後も規制の手が緩められることはないと思われる。

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