■ 米バイデン大統領 港の24時間稼働と滞留コンテナに罰金
2021年10月30日
米バイデン大統領は、港湾の混在と供給網の乱れによって品不足や、物価の上昇が発生している事に対応するため、ロサンゼルス港を24時間態勢にするなど物流停滞解消に向けた取り組みを発表した。
また滞留したコンテナも物流の妨げになっているとして、海運業者に罰金を科すことも決定した。トラック輸送の場合は9日目から、鉄道輸送の場合は6日目から、コンテナ1本につき1日100ドルの罰金が海運業者に科される。
輸入貨物の窓口となっている米国西海岸では新型肺炎による巣ごもり消費や労働者不足、運送拠点の稼働率低下によって、港湾作業が滞りコンテナ不足や以上な運賃上昇を招いた。倉庫作業員やトラック運転手も不足に陥っており、肺炎が終息に向かいつつある今な状況は改善していない。
アメリカでは品不足を背景にした物価の上昇が長期化する懸念が強まっており、今年のクリスマスシーズンに米国民は物価高や一部で品不足に直面する可能性があるとの見方を示している。
ホワイトハウスは半導体から食肉まであらゆる品目の供給不足問題に対応するため、6月にタスクフォースを設置。 港湾の年中無休(24時間・週7日)運営を実現するため港湾労働者の業務を拡充し、物流業者や荷主へも協力を呼び掛けた。
これを受けUPS とフェデックスは従業員の夜間シフトを増やし、港からの貨物引き上げの増加に対応。小売り最大手のウォルマートは夜間シフトを50%増やし、住宅用建材小売りホームデポも夜間の貨物引き上げを週10%増やす。 ディスカウントストア大手のターゲットやサムスン電子も今後90日間、夜間の貨物引き上げを増やし協力を表明。
さらにバイデン大統領は会見で、ターミナルオペレーターや鉄道、トラック業者、荷主、小売りを含む他の民間企業も対応業務を拡大して欲しいと呼び掛けた。
ロサンゼルス港では夜間は日中に比べ25%早く貨物を移動でき、夜間業務の拡大によって日中の貨物の混雑を緩和することができるという。