マーケットハイライト:米国CCICは検査に慎重、中国製紙は品質面で安心な日本古紙を購入

  ■ マーケットハイライト:米国CCICは検査に慎重、中国製紙は品質面で安心な日本古紙を購入

2018年7月28日

中国の規制が強化される中、古紙輸出価格が徐々に値上がりし数量も増えている。米国古紙の1ヶ月間輸出禁止措置の影響で5月の日本からの古紙輸出数量はOCC前月比118.5%、ONP126.8%の増加となった。輸出解禁後も検査員不足から米国CCIC検査は最大4週間待ち、また再度本国からのペナルティを受けることを警戒し0.5%基準を尊守すべく厳しく且つ慎重に検査を行っており、古紙不足から大手製紙メーカーは相次いで休転を発表している。 

輸入ライセンス再登録は順調に行われている様子で7月16日に16回目のライセンス数量交付(83.3万t)が発表された。

一方で本年度発行された1,200万t 以上のライセンス枠も未だその40- 30%程度が未使用のまま古紙が調達できていないと言われている中、中国の製紙メーカーは品質面で安心な日本品の古紙調達数量を増やし高値を付けており、5月以降の通関統計は未発表だがOCCでメインポートCY \24円~25.5、ONPはCY \26-27前後まで上昇していることから6-7月も堅調に輸出されているのではないだろうか。

一方で秋需に入るとともに古紙の調達困難から日本品は値上がりしているが、米国の対中関税措置の影響で中国国内の製品需要はよくない。 また6月24日、中国国務院(内閣)から2020年までに再生可能な固形廃棄物の輸入を段階的に規制し、最終的にはゼロにする計画が発表された。固形廃棄物には古紙も含まれるが世界中の古紙サプライヤーは不安と動揺を隠せない様子だ。

米国の古紙業者、廃棄物業者からは中国抜きでの資源ゴミのリサイクルが実現可能なのか懸念の声が上がっている。さらには6月27日、2019年1月より固形廃棄物の輸入可能な港が18港のみに制限される発表がなされ、中国国務院は段階的な規制を早くも実行する姿勢を強く打ち出している。

「輸入固形廃棄物外国供給者登録の為の実施規則」(供給業者の輸出ライセンスに関する規定)が7月6日発表された。施行は8月1日となっており、新規則では輸出供給側の要件(ISO9001の取得等)が新しく付加され供給側許可取得の要求基準も強化されている。

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