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21年米国古紙輸出量1633万㌧ インド向け急増

21年米国古紙輸出量1633万㌧ インド向け急増

21年米国古紙輸出量1633万㌧ インド向け急増

  ■ 21年米国古紙輸出量1633万㌧ インド向け急増

2022年2月20日

21年の米国古紙輸出量は1633万㌧となり、新型肺炎によって回収量が減少した20年比14%増加、19年とほぼ同等の数量に回復した。仕向け先別ではインド向けが396万㌧と前年度比1.8倍、メキシコ向けも225万㌧で1.6倍と急増している。

品目別では段ボール古紙(470710)の輸出量が前年度比20%増の1,053万トン、仕向け先はインド向けが192万㌧と前年度比2倍、メキシコ向けは100万㌧で2.8倍まで急増した。未選別古紙(470790)は270万㌧で前年度比1.7倍の270万㌧に増加したが、中国の古紙輸入規制が始まった17年比では24%減少している。仕向け先はインド向けが156万㌧と前年度比1.8倍だった。 

インドでは経済成長による内需の拡大と、17年に収税を撤廃、GST(Goods and Service Tax)を導入した事で長距離物流が発達、包装需要が急増した。それ以前は州税により仕入れ税額控除が認められず、州を跨ぐ輸送が発達しなかった。近年地元企業による段原紙の増産による古紙ニーズが強まっている事や、アジア諸国が未選別古紙の輸入を規制する中未だ規制のないインド向けの輸出が増加している。また中国の古紙規制後、インドは増産した段原紙や再生パルプの中国向け輸出量を増加させている。段ボール古紙が4割近く混入するMIX古紙は安価で長繊維の取れる米国のMIX古紙は安価で最適な原料となっている様だ。MIX古紙を使う事がインド製紙企業の原紙輸出競争力につながっている。 また、メキシコに於いても20年9月、Grupo Gondi社が年産40万㌧の段原紙マシンを稼働するなど、段原紙の生産量が拡大。インド、メキシコ両国で古紙需要が高まっている。

古紙輸出量が最も縮小したのは新聞古紙(470730)で、21年の輸出量は108万㌧と20年比50%近く減少した。17年比では4分の1まで減少している。米国のみならず、日本や欧州でも同様の減少が起こっており、新聞需要の低迷により古紙の発生量が大幅に縮小し余剰しなくなっている事が背景にあるとみられる。

上物・漂白古紙(470720)の輸出量は203万㌧で前年度比20%増加したが、元来中国向けの輸出量は少なく、メキシコ向けが多かったことから中国の古紙規制の影響は受けておらず安定した輸出量となっている。

21年米国古紙輸出量1633万㌧ インド向け急増
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