■ ウクライナ ロシアとの一時停戦交渉で合意
2022年3月6日
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、ロシアとの2度目の停戦交渉で、双方が一時的に交戦を停止することで合意した事を発表した。 停戦は戦闘地域から一般市民を退避させることを目的とし、ロシア軍の包囲するドネツク州のマリウポリとヴォルノヴァーハの二つの都市で実施される。 ヴォルノヴァーハ市はマリウポリの北にあり、新ロシア派が実効支配するドネツク地方とマリウポリを結ぶ道路に接する、戦略上の重要拠点。ロシアの侵攻開始から市街地に対し無差別に激しい砲撃を受けてきた。
ロシア国防省は「モスクワ時間午前10時(日本時間午後4時)より停戦を宣言し攻撃を停止。 民間人が避難できるよう避難ルートを設置し、民間人が避難できるようにする」と発表した。
ウクライナ政府は、マリウポリから約20万人、ヴォルノヴァーハから1万5000人の避難を計画している。退避ルートは数日間設けられ、住民は市が用意するバスで移動する計画となっている。
しかし、ウクライナ当局はロシア軍が停戦合意に違反したとして、マリウポリからの退避を中断し市民へ防空壕に戻るよう指示を出した。 民間人の脱出ルート目的地になっているザポリッジャ市の周辺で、戦闘が続いているという。 ロシア国防省は広範囲な軍事攻撃を継続する方針も示しており、首都キエフに再び攻勢をかけている。
今回の停戦合意は民間人の退避を目的としており、一時的なものとなっている。民間人の退避後はさらなる激しい攻撃が予想される。プーチン大統領は戦闘終結にはロシア側の要求に全面的に合意する事を前提としており、両国の要求の隔たりは大きい。