肺炎が収束し稼働を開始した中国、欧米の都市封鎖により貿易減少

  ■ 肺炎が収束し稼働を開始した中国、欧米の都市封鎖により貿易減少

2020年5月

都市封鎖が解除された中国に於いて医療品以外の貿易が停滞したことにより需要が大幅減、4月初旬から段ボール原紙価格が崩れた。 

2019年の中国から輸出総額のうち米国、EU、日本、韓国向けは1兆1,017億米ドルに達し全体の40%を超えている。 

中国の証券アナリストの分析では、輸出製品の包装の40%が紙の包装を使用していると仮定すると、包装は商品価値の2%から5%を占める為包装材の価格は4,800元/tと推測できる。 包装紙の間接輸出需要は国内消費の約28%を占める計算となり、仮に中国の輸出が15%、30%、50%と縮小した場合、紙製包装需要は3%、7%、15%縮小するとの予測だ。 

輸出需要の減退により古紙価格を原紙価格に添加できず、5月初旬の労働節は各社休転し在庫圧縮する方針を打ち出した。 それに伴い中国国内古紙価格も急激に軟化、労働節明けに下がりすぎた原紙価格の調整が入ったものの、需要減は変わらず小康状態が続いている。 

いち早く稼働を開始した中国がモデルであったかのように東南アジアに於いても5月に入り状況は一変。 欧米での都市封鎖により世界の人の移動と貿易が制限され、東南アジアへの衣料品や靴、電子部品の需要が減退。 高騰した古紙価格を製品転嫁できず4月に20-30㌦、5月に10-20㌦ほど原紙価格が下落した。 

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