マーケットハイライト:古紙価格は若干反発、回収維持可能ラインを探る動き

  ■ マーケットハイライト:古紙価格は若干反発、回収維持可能ラインを探る

2019年7月29日

先月末にJOCC CIF東南アジア$85~110(CY\8/kg前後)と底値を付けた古紙輸出価格が7月に入り若干反発している。 

7月10日に第3四半期の輸入ライセンスが169万t発行されたが、予めライセンスの発行情報を掴んでいた中華系メーカー(玖龍社、山鷹社、景興社)が先んじて購買に動き、東南アジアメーカーも追随した。 

7月中旬にJOCC価格はドル価で$20~30ほどリバウンドしており、CIF 115~130 (CY10.5~11.0/kg)まで回復、現在は横ばいとなっている。 しかし今のところ米中貿易戦争は一旦落ち着いたものの、抜本的解決はしていない為中国を含むアジア全体の原紙需要は低迷、価格も下落傾向にある。 

 価格反発の理由は過度な下落への調整

日本の古紙も冷夏に伴い飲料等段ボール製品需要が低く、発生が悪かったところへ中国のライセンス発給が重なり1ヵ月程で2~3円程反発した形となっている。 

価格反発の理由は景気上振れや需給の回復ではなく、下落しすぎた古紙価格により各国から古紙が調達できなくなった為に価格の調整が入ったといった所の様だ。 

古紙回収としてのインフラが維持できる最低価格として120-130㌦前後を予測したが、今後秋需までは古紙調達とインフラ維持の最低ラインを探る動きとなり、この近辺の価格で推移するのではないだろうか。 

 東南アジア、原紙需要弱く再生パルプに参入

台湾を始め東南アジアでも原紙の販売需要は弱く、この数ヵ月稼働益をえる為に中国向け再生パルプの生産を開始する製紙メーカーが増えてきている。 中国向け再生パルプの需要は古紙の輸入規制が始まった2年前から盛んになったが、主に中国に工場を持つメーカーによる自社調達用の生産あるいは、製品販売で大手に対抗できない東南アジア中小メーカーに限られていた。 

しかし昨年中国向けに高く売れていた中芯原紙も、今年は米中貿易戦争に伴う需要減、古紙価格も十二分に下がったこともあり原紙在庫を積み増すより副業として手離れのよい再生パルプに大手台湾製紙メーカーも注目している様だ。  

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