■ 世界で段原紙価格が値上がり。古紙・UKP・海上運賃上昇でコスト増
2021年1月25日
台湾では昨年12月2度にわたる原紙値上げが実施された。各20ドルの値上げでローカル中芯価格は工場到着400㌦を上回り2018年11依頼の高値となっている。台湾に於いても古紙価格高騰と輸出コンテナが取りづらい事から輸出向け原紙製造を断念している製紙企業がでているそうだ。
旧正月に長期休転を実施する事によって原紙在庫を減らし、旧正月明けの不需要期に価格が軟化しない様に調整する思惑があると思われる。12月末までは古紙不足から高値でも購入する姿勢を見せていたが、旧正月の近くなった年明け雰囲気が変わり無理に買い付けしようという動きはない。
ベトナム・韓国でも同様だ。ベトナムに於いてはオファーを出せば成約こそできるが、価格の上昇トレンドは一旦落ち着いたように見える。旧正月前とアセアン域内での肺炎再流行により原紙需要は弱くなりつつあることも背景にある様だ。 中国では独身の日後、需要期が終わり11月末付近まで中国国内の段ボール原紙価格は下落したが、12月に入り旧正月前の仮需が入り需要が回復した。
また古紙輸入禁止を目前に控え国内古紙価格が上昇した事から原紙価格の値上げに踏み切り、昨年9月対比で400-500RMB(約60-70㌦)上昇した。さらに今年に入り輸入原紙価格が値上がりした事によって、国内のメーカーへ引き合いが還流している。
国内需要と供給力の低下から中華系製紙メーカーはさらに50-150RMB(10-20㌦)の値上げを発表している。
一方欧州原紙の到着は45-60日の船足が必要で、これからの発注は需要期に入る3月-4月頃の着となる為、発注量が回復し始めている。しかし欧州品も同じく海上運賃問題で値上げが発表されており、調達が上手くいかなければ旧正明けにアジア圏の原紙価格が一段と上昇する可能性が高い。
また米国や豪州から輸入されるバージンベースのKLBも国内需要が顕著な事から輸出向け出荷枠を縮小、運賃とパルプ値上げの影響から価格が上昇している。
UKP価格は月以降で再度50㌦程度の値上げがアナウンスされており、年末から比較すると100㌦以上の値上げとなり久しぶりに700㌦レンジに突入する。
安価で販売されていたロシアのKLBも50㌦以上値上げされた。中国国内では貿易商社の持っている在庫販売分も400-500RMB(約50-70㌦)と先行して値上げされており、コンバーター入れの末端価格は750-800㌦付近まで高騰しているという。