■ 台湾廃棄物原料の輸入規制 廃棄物原料の輸入量が増加、規制に踏み切る
2018年9月30日
8月13日、台湾環境保護署は廃プラスチック及び段ボールや未晒しクラフト以外の古紙を輸入禁止にする事を検討している旨発表し、上記規制につき専門家による公聴会が9月13日に開催された。公聴会では中国の規制後も中国国内では依然としてプラスチックの大きな需要があり、中国で輸入できなくなった廃プラが台湾を含め東南アジアに流れリサイクル原料に再生され中国に再輸出されはじめた。環境保護署の統計によると規制後、台湾への廃棄物原料の輸入総量は昨年度同期対比2.57倍になったとの資料が提出された。
廃棄物原料の輸入増加により環境汚染問題が発生し始めており、環境保護署は廃棄物原料の輸入とその再生により「外国のごみ」が国内に流入する事、及びそれにより金儲けをすることを強く批判した。今後廃棄物原料の輸入により環境負荷が増加することを防止する為、古紙や廃プラスチックの輸入規制を行う。古紙は未晒しクラフト、段ボール古紙に限定し、また廃プラスチックは単一素材のものに限定される。また輸入され再生された原料は輸出してはならず国内使用を義務づける事を検討している。
台湾の廃プラスチック年間再量は約350万トンで台湾国内の家庭から発生する廃プラは280-300万トン、需要の約60~70%を占めているが、残りは輸入に依存しており、廃プラの輸入を制限してしまうと原料が不足してしまう可能性がある。再生業者側からは環境問題に対応するには規制するのではなく、輸入廃プラの歩留まりを上げる方法を議論すべきとの意見もあった。 規制は10月1日から実施される予定だと報道されている。