中国振り替え需要で、台湾ベトナム活況、コンテナ不足は足枷

  ■ 中国振り替え需要で、台湾ベトナム活況、コンテナ不足は足枷

2020年3月

 東南アジアメーカーは昨年末にインドネシア向け輸出再開が引き金となり古紙価格は反転したものの、米中貿易戦争による包装需要の減退感から旧正月長めの休転を予定し生産調整を行う予定だった。 

今年は中国の古紙輸入ライセンスの縮小から原紙不足が予想されており、近い将来中国向け輸出の拡大と価格の上昇、製品在庫の圧縮は原紙価格の値上げに寄与できるという思惑もあった。 

実際旧正月明け出荷の中国向け原紙発注は増加、旧正月期間中も操業を続けるメーカーもあるほど中国からの需要は強まった。 さらに新型肺炎の流行によって中国国内古紙回収が滞ったことにより、原紙不足の不安感が増し価格の上昇を後押しした。 

台湾・ベトナムの製紙メーカーにとって誤算だったのは、中国からの資材調達が滞った世界中の製品需要家からの振替需要が勢いを増したことだ。 今回の新型肺炎による供給ストップは、もとより米中貿易戦争によって発生した脱中国需要を加速させ、中国向けはおろか国内向け出荷も生産が追い付かない状況となった。 

さらに中国物流のストップがコンテナ不足を招き、各国からの古紙出荷が鈍化したことを受け、さらなる古紙調達価格の引き上げに踏み切った形だ。 欧州でも海上運賃が高騰しアジア向け3月積み海上運賃はおよそ1600㌦/コンテナ。値上げ前の3倍もの価格となっておりEOC Cは一時 CIFベトナム140-150㌦と高騰した。

現在中国近海に位置する日本のコンテナは中国の稼働開始により徐々に戻りつつあり、コンテナ不足そのものは徐々に解消されつつある。 しかしDirtyバンである古紙用コンテナは日中両国に於いて人手不足により修理が追い付かず、ここにきて不足が生じている港もある様だ。

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