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台湾正隆紙業 投資拡大生産能力拡大とESG投資、デジタルフォーメーション管理を推進

Cheng Long

  ■台湾正隆紙業 投資拡大生産能力拡大とESG投資、デジタルフォーメーション管理を推進

2021年4月2日

台湾正隆紙業は今後3年間、毎年平均70憶NTD(250億円)を投じ生産設備の拡張を行う事を発表した。正隆社は現在5か所製紙工場と19の紙器工場と紙加工工場を有しており、そのうち台湾が製紙4か所、紙器工場7か所、紙加工工場1か所、中国に紙器工場9か所、ベトナムに製紙1か所と紙器工場3か所となっている。

グループ全体の工業用紙生産能力は月産19.8万㌧、家庭紙7.2万㌧、白板5万㌧、紙器かんれんは17.27億平米となっている。

20年度の売上ベースの比率は台湾が69.7%、中国15.6%、ベトナム14.7%となっており、前年度比で台湾とベトナムの比率がそれぞれ1.3%及び3.2%増加した。

正隆社は市場の成長を見据え、国内外の循環経済拠点の拡大、低炭素グリーンエネルギーを活用したESG投資を加速させること、デジタルトランスフォーメーションの推進の三つの戦略に基づき事業拡大を行うと発表した。

生産設備への投資は台湾国内で10以上の計画があり、まず20憶8000万NTDを投じ、高雄の燕巣工場の拡張工事を行い年間6000㎡の貼合能力が拡大する。大園製紙工場にもDIP設備の増設が決定しており、投資額は8.73憶NTDで年産6.6万㌧の白物古紙パルプ設備を導入する。

同工場の1号機は今年ライナーから白ライナーマシンに改造される予定となっており、表層に使用する原料設備として活用する予定だ。また竹北工場にも15億NTDを投じて発電量1憶2600万kWhの高効率バイオマス発電設備を建設する。この計画が完了すると廃棄部の92%を資源化する目標が達成される。

ベトナムでは現在2憶USDを投資し製紙2号機が建設中だ。中国上海中隆にて稼働していた(2017年撤退)併抄マシンをベトナムに移設する計画で今年下半期に稼働予定となっている。また平陽工場にて土木工事(2,300万USD)を行っており、バクザン省に紙器工場(4,640万USD)を建設する。バクザン工場は2022年中旬ごろ稼働予定となっている。

全ての工事が完了すれば、正隆社の生産能力は原紙250.2万㌧/年、紙器は1.8憶㎡増加し19億平米となる。

正隆社は2019年に「スマートペーパー4.0」計画を開始し、デジタルトランスフォーメーションによる生産効率化を推進し現在5つのアップグレードプロジェクトを完了した。今後さらに5つの改革案があり、さらなる効率化を進める。またベトナム平陽工場に於いても総投資額11憶USDを投じ5期計画にて改革を進める予定だ。現在第二フェーズまで開発が進んでおり、来年より第三期計画に移行する。

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