■ 脱中国需要で台湾・ベトナムは好調、対中依存の高いマレー・タイは鈍化
2020年2月
台湾やベトナムでは中国からの代替え需要により内需も上向いているが、今後新型肺炎による物流の停滞が長期化すれば世界景気そのものが停滞し、原紙だけでなく古紙流通にも波及する恐れがある。
また東南アジア途上国が全て米中貿易戦争の代替え恩恵を受けているわけではなく、特に中国向け輸出依存度の高かったタイ・マレーシア経済は鈍化している。 タイでは‘18年には平均4~5%あった経済成長も19年~20年にかけて2%台へ下方修正するなど影響は大きい。
さらに今回の新型肺炎の影響もこういった経済形態の傾向によって異なる様だ。 日本においても中国船社を中心にコンテナ不足の影響が出始めているが、19年の中国向けJOCC輸出量は81万t(前年度比-51.7%)とライセンスに合わせ大幅縮小、旧正月明けの古紙輸出に大きな影響はまだ出ていない。
しかし中長期的に抜港、中国側の輸出減が継続した場合、特に運賃の安い古紙は東南アジア向けを含め船腹予約が難しくなる可能性もある。 米中貿易戦争の一服感と中国で発生する原紙不足、東南アジアでの古紙需要が今後の古紙価格上昇要因だが、3-4月頃の短気的には上記不安材料も無視できない。