■ インド 首都デリーでの石炭使用禁止 製紙企業に影響懸念
2023年1月7日
インド中央政府大気質管理委員会(CAQM)は大都市の大気汚染を軽減する目的で首都圏(デリー、ハリヤーナ州の14地区、ウッタルプラデーシュ州の8地区、ラジャスタン州の2つの地区)における大気汚染原因化石燃料(石炭を含む)の自家発電目的使用を禁止する方針を発表した。 同規定は2022年6月23日付けの指示書第65号に規定されている燃料リストをもとに、石炭を含む重度に汚染された化石燃料の完全な禁止するものとなっており、半年前よりアナウンスされていた形だ。 規定によると、火力発電所を除くほぼすべての石炭利用者が石炭を使用できなくなり、石炭の在庫、取得、販売する事も規制される。 首都圏では年間170万㌧の石炭が消費され、特に6つある工場団地だけでその内の140万㌧を消費していた。 規定は1月23日より施行され、違反者には重い罰金刑が課され、基準を満たさない中小製紙企業は商業営業ができなくなる可能性がでてきた。
CAQM、首都圏地域のすべての製紙工場に発電所でのバイオマス使用を増やすよう要請している。
しかし、排煙基準を満たした工場に於ける低硫黄石炭の使用は自家火力発電でも認められ、般家庭に於いても薪とバイオマス練炭は宗教的な目的や火葬に認められており、木や竹炭はホテル、レストラン、宴会場(排出制御システム付き)、オープンレストランやダバのタンドールやグリル、布のアイロンがけに木炭を使用することは許可されている。
さらにCAQMはウッタルプラデーシュ州、ラジャスタン州、ハリヤーナ州に於いて、1月1日(日曜日)からCNG自動車と電気自動車のみを登録可能とし、2026年末までに首都圏におけるディーゼル車の段階的廃止を実施する。その他のエリアにも順次規制範囲が広がっていく計画となっている。