中国製紙生産調整により需給調整、古紙・原紙価格反転。中国国内洪水被害も影響

  ■ 中国製紙生産調整により需給調整、古紙・原紙価格反転。中国国内洪水被害も影響

2020年7月

新型肺炎の流行により都市封鎖が実施され古紙不足が発生価格が上昇し、4月末にJOCCはCIF TAIWAN $150(CY14.0~14.5/kg)CIF VIETNAM $165~170(CY14.5~15.0 /kg)まで高騰した。

しかし5月以降先進国の都市封鎖により世界経済が低迷、輸出に依存していた東南アジアを中心に古紙・原紙価格が下落していた。

一方5月より都市封鎖が解除され稼働を開始した中国では下がりすぎた原紙価格が反転上昇を始めた。 

大手製紙企業はセールにより原紙在庫を処分し、労働節の休日後も長期休転を実施、原紙在庫の圧縮を図った。 さらに玖龍紙業は東莞にある中芯マシンPM6とPM7(各25万t/年)を7月21日~10月9日まで80日間停機し修理とメンテナンスを行うことを発表。 生産調整量は11万8千㌧にも及ぶ。山鷹国際も漳州市にある30万t/年ライナーマシンをメンテナンスの為50日間停機し、4.4万tの生産調整を行う。 

需給調整による価格修正を目的とした休転で、玖龍社は下がりすぎ採算の悪化した原紙価格を修正すべく5月に$7~15㌦/t、6月に再度25~40㌦、7月初旬には2度に分けて25~50㌦値上げをアナウンスしている。 

また6月より中国広域に於いて断続的な大雨が発生、古紙の回収や物流が停滞している事も価格の上昇を促した。 長江周辺では洪水が発生し被災者は3800万人を超え、死者行方不明者は140人と甚大な被害を出している。

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