Stora Enso社  2工場でパルプ及び製紙事業から撤退

  ■ Stora Enso社  Kvarnsveden工場とVeitsiluoto工場に於いてパルプ及び製紙事業から撤退

2021年4月21日

Stora Ensoは、スウェーデンのKvarnsveden工場とフィンランドのVeitsiluoto工場に於いて2021年第3四半期でパルプ及び製紙事業から撤退する事を発表した。同地域での木材調達事業は継続する。フィンランドでは670人、スウェーデンでは440人の労働者が雇用されており、労働協議に入った。

同社の経営陣は撤退の理由について「印刷需要の減少は新型肺炎によってさらに加速し、収益性が悪化した。欧州では印刷用紙は生産過剰であり、生産能力の調整が必要と判断した」と説明している。

両工場が閉鎖されるとsupercalendered (SC) papers79万㌧、新聞用紙は56.5万㌧の生産能力が削減され、同社の総製造能力は35%減少し年間260万㌧となる。売り上げに占める印刷用紙の比率は10%減少し売上高も約6億ユーロ減少するが、3500万ユーロの赤字が改善される見込みだ。

2021年第1四半期決算において、1億2,700万ユーロの減損を計上、第2四半期に解雇とリストラ費用として、1億4000万ユーロの費用を計上する。内部現金への影響は9,600万ユーロとなる。

同社はスウェーデンのNymölla M工場で非塗工上質紙、及び ベルギーのLangerbrugge工場とドイツのMaxau工場のsupercalendered (SC) papers、フィンランドのAnjala工場でmachine finished coated (MFC) papersと非塗工書籍用紙、ベルギーのLangerbrugge工場とスウェーデンのHylte工場の新聞用紙の製造は継続する。

さらに昨年Stra社は、3憶5千万ユーロを投じフィンランドoulu工場のコート紙マシン(PM7)をKLBマシンへ改造する事を発表し、同工場の6号機も9月初旬に停機している。

KLBマシンの稼働は21年末予定で生産能力は45万tとなる見込みだ。すでに1月からパルプマシンが稼働を開始しておりドライUKP年間53万tの製造能力がある。うち13万tを外販し、残りは新設のKLBの原料とする予定だ。2台の年間総生産量は100万㌧の予定だ。 

またヒルテブルーク工場の3号機(新聞、DIP設備)も2021年までに停機するとアナウンスしている。同工場の新聞マシンは2機、総生産量は48万㌧で停機する3号機の生産能力は23.5万㌧。同社の新聞生産能力の26%相当を削減した。これはヨーロッパ全体の新聞生産量の4%に相当する。 

 Kvarnsveden 工場及びVeitsiluoto工場 詳細

今回事業撤退するKvarnsveden 工場には、二機の製紙マシンがあり、年間生産量は56.5万㌧。 マガジンペーパー及び新聞、supercalendered (SC) papersを製造しており、雑誌、広告やカタログ業界に原紙を供給していた。また年間90万㌧針葉樹機械パルプ(TMP)マシンも備える。

フィンランドのVeitsiluoto工場は3機の抄紙機と化学パルプ、グランドパルプ設備がある。

印刷用紙の生産能力は年間79万㌧。パルプの生産能力は36万㌧となっている。2機は非塗工上質紙マシン、1機は雑誌用塗工紙及び包装紙を製造している。

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