■ Stora Enso社 Pulpex社と共同でPETボトルに代わる紙製容器の量産体制を構築
2021年5月18日
Stora Ens社はPulpex社と共同で、リサイクルでき環境に優しい紙製容器を開発し、PETボトルやガラス瓶に代わる容器として販売を開始する。Stora Ens社のもつ産業規模での木材繊維生産能力と加工技術をPulpex社の容器製造技術に応用する。 現在22年の商業販売を目指し、大量生産を可能にするため高速生産設備を建設中だ。
開発された紙製容器はパルプモウルド方式で様々な種類のパルプを形成機へ注入し造形され、エンボス加工やラベリング、染色など様々なユーザーのニーズに対応可能となっている。
ホームケア用品からパーソナルケア製品、アルコール飲料から液体食品まで様々な容器を製造可能で、世界のグローバル企業をターゲットに販売活動を行う。
生体分解可能で、製造時のCO2排出量もプラスチックに比べて少ない上に、あらゆる形が成形できるため既存の充填設備にそのまま流用できる事から、 Diageo社(Johnnie Walker, Smirnoff , Guinnessなど酒類)を始め、 PepsiCo(ペプシ飲料やチップス), Unilever(洗剤などの日用品), GSK社(医薬品・サプリメント)などの大手消費材ユーザーが採用を決定しており、年間7億5000万本の販売を見込む。
Stora Ens社は「世界の飲料包装市場は約1,170億㌦の市場規模があり、2027年までに1,700億㌦規模に成長すると予測されている。そのうちプラスチック包装市場は年間約5%づつ成長しており、世界の飲料包装の約40%を占めている。現在のEU及び米国のペットボトルリサイクル率は30~40%、ガラスとアルミニウムは75-80%となっている。 紙や段ボールのリサイクル率は80%以上となっており、リサイクル率やインフラに於いて紙製容器は優れているといえる。」とコメントしている。
Stora Ens社と共同で事業を進めるPulpex社は、酒造メーカーであるDiageo社とPilot Lite社(ベンチャー企業)の合弁企業。英国に拠点を置くモウルド製造会社で持続可能な包装資材の開発を行っており、世界初の100%PETフリーな紙瓶を開発した。