ウッドチップ価格高騰 パルプ製造に影響

  ■ ウッドチップ価格高騰 パルプ製造に影響

2022年2月17日

パルプ抄紙用のウッドチップ価格が高騰し、パルプメーカーの収益を圧迫している。Wood Resource Quarterly(世界のパルプ原料の85~90%が対象)対象国の昨年第3四半期の針葉樹繊維価格指数(SFPI)は前年度同期比より8.1%上昇し、2014年以来の高値を記録した。米国南部の針葉樹丸太価格は9%、カナダ西部では11%、フランス9%、チリ15%、ブラジルでは20%の上昇となった。 

ドイツ産丸太の輸出量は前年比67.4%減の260.8千立米で輸出額は50.1%減の2,980万ドル、平均価格は立米あたり114.3ドル53.0%上昇。 カナダ東部に於いても、昨年末に発生したバンクーバーの洪水で未だ鉄道、高速道路などの物流面での混乱が続いている上にCanfor社の減産も重なり、3月のカナダ木材先物市場価格は34%上昇している。

広葉樹繊維価格指数(HFPI)は2011年以降下落傾向が続いていたものの、20年以降同じく急高騰している。

2021年のニュージーランドの丸太輸出量は前年比13.4%増の22,764.6千立米、輸出額は41.2%増の28億ドルとなった。中国が豪州産丸太輸入を制限した事で中国むけの輸出が増加し、平均価格は1立米あたり124.7ドルと24.5%上昇している。 

南米ではブラジルパルプメーカーの21年第3四半期における木材原料コストは昨対比10%増加し、パルプメーカーやべニア製造工場、合板企業、銑鉄業界の間で丸太原料の獲得競争が発生している。 ユーカリ丸太最大の消費者である銑鉄業界において生産量が前年度比18%増加した事から、価格が反転20%上昇した。 ユーカリパルプ価格はチリ通貨(ペソ)建てで10年前のほぼ倍の価格となったが、ペソ安が寄与しドル建て価格の値上がりは緩やかな値上がりに収まっているという。

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