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中国 段原紙需要低迷 アジア古紙価格に影響

  ■ 中国 段原紙需要低迷 アジア古紙価格に影響

2022年3月5日

旧正月明けパルプを主原料とした高板、印刷用紙、衛生紙などの値上げが相次いで発表される中、段原紙価は需要の弱さから改定されていない。 中国では昨年下半期に発表された中国政府の「インフレ抑制」「共同富裕」「学習塾無償化」によって景気回復に失速感がでている事が影響した。さらにCO2排出削減のための電力制限や、オリンピックに向けゼロコロナ政策を実施、感染者が1人でも確認されると大規模な都市封鎖を行った。企業活動は制限され、包装需要は低迷したままだ。 
過去10年間の中国国内の段原紙価格動向をみると、3~4月は価格低迷期にあたる。3月は年によって上昇した年もみられるが、4月の価格は10年中8年が軟化している。例年の事だと考えるべきなのか。

昨年の中国の段原紙輸入量は615万㌧と前年度比102万㌧約14%減少した。特に下半期の輸入量減少が顕著となっており景気失速が輸入紙にも大きな影響を及ぼしたといえる。さらに中国では近年、大手製紙企業による大規模製紙工場の稼働が相次ぐ。 過去数年間で2000万㌧以上の生産能力が増強された。 しかし中国は21年に古紙を完全輸入禁止とした為、原料が不足しており、電力不足による稼働制限もあった事から昨年の製紙平均稼働率は60%前後と非常に低い状態で推移している。 2月は旧正月も重なり、製紙稼働率は52.93%と半分程度しか稼働していない。 需要低迷と生産過剰の両面から中国の段原紙輸入量は減少傾向にあると推測できる。

中国製紙稼働率
 古紙価格にも影響 価格が軟化

東南アジアの製紙企業による中国向け段原紙輸出量は年々増加傾向にあり、20年は400万㌧を超えた。段原紙輸出の中国依存率は7割近い。しかし21年下半期より減少傾向にあり、年明け以降、さらに輸入量は激減している。 一方でラオス、マレーに建設された中華系企業による段原紙の逆輸入が大幅に増加。昨年は輸入量全体の18%を占めた。 アジアに進出する中華系企業の逆輸入も増え、生粋の東南アジアローカル製紙企業からの輸入量は顕著に減少している。

1月以降東南アジアの古紙購入価格はマレーの古紙規制や、インドの経済回復によって上昇傾向にあったが、天井感がでており製紙各社荷受を制限しはじめている。日本の主な古紙輸出先である台湾、ベトナム製紙企業の古紙在庫は十分な水準に達したが、原紙の販売が振るわず各社古紙購入に待ったがかかった状態だ。両国の製紙企業は契約残分古紙の船積みを4月以降に繰延する様サプライヤーに打診している。 各商社からのオファー価格も強気から一変、価格を下げてのオファーへと変わった。

現在のアジアJOCC相場はCIFベトナム$290-295を最高値に買い気が弱まり、台湾向けは265㌦から260㌦へと価格が軟化した。

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