■ 「独身の日」通販セール 政府への配慮目立つも過去最高額更新
2021年11月13日
今年の中国「独身の日」通販セールは業界最大手のアリババ社で5403億元(約9兆6000億円)、業界2位の京東集団(JDドットコム)は3491億元(約6兆2000億円)で、大手2社のセール期間中の取引総額は約16兆円に達し過去最高額となった。 中国当局が国民に生活必需品の備蓄を呼びかけたことも追い風となったとみられる。
しかし今年のセールは例年と違い派手な広告が控えられ、高揚感は薄い。
アリババ社は 中国政府のIT企業に対する締め付けが強まる中、例年行う取引額の速報を行わなかった。 同社は今年4月、当局から独占禁止法違反で182億元(約3200億円)の巨額の罰金が科され、政府から積極的な宣伝や消費をあおるような行動を控えるよう圧力がかかったとみられる。
同社は代わりに中国政府の打ち出す格差是正政策「共同富裕」を全面に打ち出し、購入額の一部が慈善団体に寄付される仕組みも作った。 同社のマーケティング責任者は「我々は焦点を取扱高の伸びから、持続可能な発展に切り替える」とし、地球温暖化対策や、寄付を通じた共同富裕の実現など、習指導部の肝煎り政策の支援を大きくアピールした。