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中国ライセンス更新状況:7回目のライセンスが交付

中国ライセンス更新状況:7回目のライセンスが交付

2018年3月11日

輸入固形廃棄物の新しい規制が施行されているが、やはり輸入されるスクラップの中に違法な廃棄物が混入しているケースが後を絶たない。1月29日に中国税関当局より31の企業1.64万トン、輸入総額1.57億元もの廃金属に違反が発見されたことが公表され、状況を危惧するとし更なる検査の強化を発表した。

一方古紙は2月23日に7回目のライセンス交付発表がなされたが、广州造紙社が初めて二回目のライセンス更新交付を受けた形となった。7回目に交付された数量は同社1社のみに留まり63.7万トン。7回の合計は551万4,491になる。广州造紙社が12月29日公表された第2回目発表時に交付を受けた数量は11.3万トンで合計75万トンとなり同社が昨年交付を受けた数量62.2万トンをすでに上回っている。广州造紙社は广州造紙グループに属し1993年に广州南沙区に工場をもつ年産50.5万トンの白板と新聞を抄く大手製紙メーカーだ。日本からは新聞古紙を多く購入していた。

今回广州造紙社に対して昨年の数量を上回ったライセンスの交付が発表されたことにより、一概に一社に対して去年より少ない数量しか発行されないわけではなく、大企業への優遇措置と場合によっては去年よりも多く交付を受けることができることが明らかになった。

 中国政府 大手製紙優遇と国内古紙回収の後押し

中国政府関連筋によると中国政府は引き続き輸入古紙ライセンス発行数量の制限を継続する方針で数量的にも昨年を下回る見込みだが、昨年の12月に李干杰環境大臣が玖龍社に古紙の使用状況を視察に行った際、「古紙の輸入数量を制限する代わりに大企業の発展と、古紙の輸入総量の制限を通じた産業改革が必要だ」とコメントしている。

そんな中、中国政府はローカル古紙の利用率を上げる為に8.5~50%もの増値税の還付をし、古紙回収業者の回収拠点の出店を後押しする方針を打ち出している。中国国内の古紙回収量は輸入制限によるローカル古紙の高騰により2017年は4,980万トンに達し2005年と比較し1,800万トンの増加、回収率も30.5%から50%近くに上昇した。また、国内消費と製品輸入の増加により古紙の発生量そのものが増えていることも回収量増加の追い風になっている。

大手製紙企業が輸入ライセンス交付の優遇を受ける一方で50万トン以下の中・小規模製紙メーカーはライセンスが未だ交付されない、あるいは輸入量を制限された形になっている。それに伴い価格が高騰している上に分別がままならない国内古紙を使用しなければならず、それに伴う繊維強度の不足に悩まされている。輸入古紙を購入できる大手製紙との原紙価格の競争もあり、今後玖龍社や理文社をはじめ大手製紙との競争に勝ち残るために製紙会社通しの合併・統合も進むのではないかと言われている。

3月より各製紙メーカーが原紙値上げを発表している。国内古紙とパルプ価格の高騰と原料不足によるものだが各社のおおよその値上げ状況は、印刷用紙で200RMB/t程度、クラフト紙 200RMB/t(50g/㎡以下300RMB)、白板裏鼠300RMB/t、中芯100RMB/tにてアナウンスされている。

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