■ 日本国内段原紙二度目の値上げ (興亜工業)
2018年10月5日
9月末丸紅により興亜工業の段ボール原紙の値上げが発表され、各製紙メーカーがそれに追随した。値上げ幅は8円/kg。 古紙価格が再度高騰し始めており、さらに安倍政権の進める「働きかた改革」による人件費高騰、化学品等の副資材も値上がりし、人手不足、ガソリン価格の高騰により運賃も値上がりしている。
昨年の10円値上げにより各製紙メーカーの収益は黒字化できたが、再度古紙価格が高騰している現在その効果が薄まってきているのは事実だ。 また一概に10円といっても元の販売価格は千差万別、特に単価の安い中芯原紙は各社転抄により在庫はタイトな状況で、各入札関連や集中購買など本来低すぎた価格の修正は必要なのではないだろうか。
しかし一方で段ボールメーカーにとって今回の値上げはかなり厳しいものとなる。前回の値上げは全額取りきり、期末の調整もなかったことから製品価格に転嫁できるまでの原紙値上げ分を負担したことにより前期の決算は赤字であった段ボール会社も少なくない。ようやく値上げが浸透し今期は黒字化? といったところで原紙の再値上げはたまったものではなく、しかし前回の「取りきり」による痛手とトラウマで今回各社製品値上げには迅速に動かざるを得ない。