ロシア非友好国に対する木材輸出禁止 フィンランド木材・チップ需給に影響大

  ■ ロシア非友好国に対する木材輸出禁止 フィンランド木材・チップ需給に影響

2022年3月24日

ロシア産業貿易省は、欧米など西側諸国に対する経済制裁への対抗として通信機器や鉄道車両など200品目以上の輸出を22年末まで禁止する事を発表した。 さらに、ロシアの指定する48か国の非友好国に対し一部の木材や木材製品の輸出も停止した。 非友好国には日本も含まれ、木材チップ(HSCODE:4401.21および4401.22)、丸太・粗木材(44.03)、べニア・化粧張り用単板や合板用単板など(44.08)が対象となる。 

ロシアは元々2年前から資源保護を理由に22年より丸太の輸出を禁止する計画を発表していた。輸出関税も20年に60%、21年に80%に引き上げており、各国はロシアからの輸入量を減らしていた。 ロシアの丸太輸出禁止による直接的な影響は軽微な国が殆どだろう。

日本の年間木材需要は7,000万㎥で、そのうち約3分の2を輸入に依存している。 多くは中国やベトナムから輸入される南洋材べニアや、アメリカ・カナダなどの北米材で、北洋材の割合は3.5%程度、ロシア産は全体の1.4%に過ぎない。しかし年間2万㎥ほど輸入される杉材はロシアからの輸入に100%依存している。 年間1000万㌧輸入される木材チップのロシアからの輸入は8万㌧弱で0.7%に留まっている。

またロシアの針葉樹原木の最大の輸出国は中国で、全体の実に75%を中国への輸出が占めている為、ロシア側にとって非友好国への木材輸出停止は大きなダメージはない。 

しかし、北欧では未だロシアからの輸入に大きく依存している国もある。また加工製材など間接的な輸入が減ることで影響を受ける国もあるだろう。

フィンランドは消費量の10~15%(約600万㎥)をロシア産が占めている。 フィンランド税関によると、対ロ輸出入額はこの2週間で60%減少し、二か国間の貿易量の減少が1991年のソ連崩壊時を上回った。 最も減少しているのは機械や設備、電気製品などの制裁対象品目。 紙や段ボール、エネルギー製品といった間接品目の貿易も減っている。

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