ロシア最大手製紙メーカー Ilim社 世界最大規模のKLBマシン設置工事に着手

  ■ ロシア最大手総合製紙メーカー Ilim社 世界最大規模のKLBマシン導入に着手

2021年5月14日

年間生産量320万㌧のロシア大手製紙企業であるIlim社は、増築中のイルクーツク州Ust-Ilimsk市(ウスチイリムスク)工場に於いて、世界最大規模のKLBマシンの設置工事に着手した。

プロジェクトは12億ドルを投じ、企業全体の生産能力を2024年までに440万㌧へ引き上げる計画の一部となっており、ウスチイリムスク工場の増築は2018年より工事に着手している。 

同工場の生産能力は150万㌧に拡張される予定で、2019年には既設のKLBマシンを改造し生産能力を19万㌧から30万㌧までアップさせている。 今回設置を開始したKLB新マシンはVoith社製、マシン幅10,300mm・抄紙幅9400mm、抄紙1200m/分で80g~175g/㎡のバージンパルプベースのKLBマシン。年間生産能力は60万㌧と世界最大規模となり、2020年第3四半期の稼働予定となっている。またIot技術により最新のインテリジェントメンテナンス管理システムを導入し、マシンの性能を最効率化できるよう設計される。

第二工期にはソフトウッド及びハードウッドクラフトパルプラインの増設、回収ボイラー、樹皮バイオマスボイラーおよび倉庫の建設を予定する。同工場の立ち上げを睨み2022年にイルクーツク州に1,000万本の苗木(スプルース及びパイン)を植林し、新たに850人を雇用する予定だという。

Ilimグループはアルハンゲリスク州とイリムスク州、イルクーツク州の三か所にパルプ及び製紙工場、レニングラード州とモスクワ州の2カ所所に段ボール工場を構えるロシア最大の紙パルプ企業。 同社の段原紙及びクラフト紙の生産量は年間86万㌧、印刷用紙33.8万㌧で従業員数は17,000人を超える。

段ボールシートの生産量は2億9000万㎡/年。パルプ生産量は年間約200万㌧で、自社の所有する植林から生産される木材は265万㎥となっている。 ロシア国内の外販パルプ市場のシェア75%を持ち、2020年は160万㌧のパルプを中国に輸出した。印刷用紙の国内シェアは10%、板紙は20%で成長するアジア市場での地位強化を狙う。

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