■ ロシア APPM社 100%古紙使用の段原紙マシン増設を発表
2022年2月12日
ロシア大手製紙企業のArkhangelsk Pulp and Paper Mill (APPM)社はアルハンゲリスク州ノヴォドヴィンスク市に於いて、新たに段ボール原紙マシンを導入する事を発表した。
まず古紙処理設備(KDM-4)を導入し、ロシア国内の古紙100%を原料に持続可能な生産を目指す。 マシンの稼働は2024年の予定で、年間生産能力は40万㌧。同マシンが稼働すると、APPM社の段原紙生産能力は100万㌧を超える。
一方今後ロシアに於いて古紙ベースの段原紙増産が続いた場合古紙の回収率が低い事が問題となるだろう。 ロシアでは1990年台のソビエト連邦崩壊時に古紙の行政回収機能を失った。都市廃棄物は現在埋め立てゴミに回っている。ロシアの古紙利用率は9%と非常に低い水準となっている。ロシア政府はゴミ分別センターを200カ所開設し、リサイクル率を2024年までに60%引き上げる計画を発表しているが、行政主導のごみリサイクルは過去ことごとく失敗しており、大きな期待はできない。
同社は1940年設立、パルプから段ボールBOXまで生産する一貫企業。 NBKP/LBKPの他、印刷用紙や文房具まで手掛け、段ボールの生産平米数は年間8億㎡、新マシン稼働後は国内市場への供給を主軸に計画している。