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中国へのロシア産KLBの流入と容器包装原紙輸出増加 ウクライナ戦争によって変化する原紙流通

中国へのロシア産KLBの流入と容器包装原紙輸出増加 ウクライナ戦争によって変化する原紙流通

中国へのロシア産KLBの流入と容器包装原紙輸出増加 ウクライナ戦争によって変化する原紙流通

  ■ 中国へのロシア産KLBの流入と容器包装原紙輸出増加 ウクライナ戦争によって変化する原紙流通

2022年4月6日

ロシアのウクライナ侵攻によって、欧州向けの輸出が難しくなったロシア製紙企業による中国向けKLBの販売価格が軟化している。3月のオファー価格は730㌦~890㌦と2月初旬価格と比べ50㌦程度軟化した。一方欧州や米国のKLBは原燃料価格の高騰によって100~150㌦以上の値上げが発表されており、大局的な市況感となっている。 特にロシア西部に生産拠点を構える大手製紙企業は、欧州向けの販売を中国向けに切り替えざるを得ず、700ドル近辺で中国へオファーをかけている。 一方中国では相次ぐ都市封鎖によって企業の生産活動や物流が寸断され、段原紙需要は非常に弱い。中華系製紙企業は大規模な停機・減産により需給を調整し相次いで値上げを発表した。 しかし包装需要は非常に弱く、値上げが満額取り切れるかは不透明だ。 パルプ価格や原燃料価格の高騰により、中華系企業の収益も圧迫されておりなんとしてもこれ以上の値崩れは防ぎたいのが本音だろう。そこへのロシア産KLBの輸入量増加と値崩れは段原紙値上げの足かせになるかどうかが注目される。

中国国内の段原紙需要が低迷する中、アイボリーボードや液体容器包装原紙の輸出が活発化してきている。 欧州に於いて天然ガス価格が20~30倍にまで高騰し、製紙企業の健全な生産活動を阻害している。相次ぐ段原紙値上げに中国原紙の輸出競争力が出てきている事が背景にある様だ。また、バージンベースの原紙輸出は増値税の還付が認められている為、段原紙と異なり中国国内の需要の弱さを輸出でカバーする動きが活発化してきている。中国では古紙の輸入禁止と脱プラニーズによって、段原紙だけでなくパルプベースのKLBやIvoryBoard、カップ原紙など液体容器包装原紙の生産量が増加している。急激な増産によって中国国内市場は飽和しつつあるが、今回のウクライナ侵攻によって欧州向けの輸出増加という新しい販売形態が強化されようとしている。 段原紙も同様、近い将来飽和が予想される中国が原紙輸出国になる可能性を示唆しているのではないだろうか。

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