ロシア ノルドストリーム1によるガス供給を無期限停止 古紙需要にも影響懸念

  ■ ロシア ノルドストリーム1によるガス供給を無期限停止 古紙需要にも影響懸念

2022年9月4日

ロシア国営企業ガスプロムは、2日ノルドストリーム1による欧州へのガス供給を再開しない事を発表した。 ノルドストリーム1は保守点検を理由に8月31日から稼働が停止しているが、供給を再開しない理由として圧縮機でオイル漏れが見つかった事を挙げている。

再開の時期は明確にされておらず、ガスプロムは装置の問題が解決されるまで完全に停止されるとしている。 

ノルドストリーム1は欧州向けロシア産天然ガスの35%を供給し、欧州最大の経済大国であるドイツに直接つながっている。 欧州の天然ガス価格は急騰しており、このまま天然ガスの供給が再開されない場合、イギリスでは来年初旬にインフレ率が20%を超えるとの試算もある。

英ガス電力市場監督局は家庭の電気・ガス料金が10月から80%引き上げられ、標準世帯549ポンド(57万円)になると表明。 イングランド銀行は23年の英国GDP成長率をマイナス1.5%と試算しており、過度のインフレによるリセッションリスクが高まっている。

ドイツやフィンランド、欧州各国では高いエネルギーコストを背景に生産停止を決定する製紙、紙加工企業が相次いでおり、古紙の消費にも影響している。9月に入り、東南アジア向けEOCC価格は150㌦を下回った。

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