■ロシア 国内紙・板紙価格の急騰に独占禁止法の調査開始
2021年6月18日
ロシア連邦独占禁止サービス(FAS)は、国内市場における紙・板紙価格の急激な上昇を受け、人為的な価格操作や独占禁止法に抵触しないかの調査を開始する事を発表した。
ロシアの書籍連合(RKS)は印刷用紙が短期的に急騰した事を受けFASに調査依頼の書簡を送付した事が発端となった。
ロシア大手出版社のpEksmo-AST出版グループのオレグ・ノビコフ会長がロシアのRussian Kommersant business paperのインタビューで、インフレによって紙の価格が上昇する事は一般的な事ですが、過去物価の上昇と経済成長は年間7%を超えておらず、それを超える大幅な値上げが実施されていると指摘した。
この状況が変わらなければ、近い将来ロシアの紙はヨーロッパから輸入された紙と同等の価格になるという。
報道によると、ロシアの出版社は紙価格の上昇によってコストが16%上昇しており、雑誌などの発行物をより安い紙に切り替える必要があると州政府に訴えているという。
一方ロシアの大手紙パルプ製造業者は、昨今の紙価格の上昇は化学品や原材料の生産コストの上昇が大きな要因だと説明している。最大の要因はロシアの古紙価格が過去数か月でほぼ倍の価格になったとも報道されている。