■ 王子製紙生産能力の見直し 統廃合によりコスト削減と効率化。段ボールは増産
2020年1月25日
王子製紙は24日、苫小牧工場の新聞マシン(N5)を20年度上期に停止し、段ボール原紙やクラフト紙マシンに転抄する。 N5マシンの新聞年間生産量は20万㌧で段ボール原紙・クラフト紙の生産量は年間30万トン規模を想定している。21年度からの生産開始を目指す。
さらに同工場はN1マシン(新聞用紙)も今年9月末に停止する。停機されるN1マシンは1964年から稼動しており年間生産能力は12万トンで同工場内の新聞用紙用抄紙機としては最小。N1マシン停機に伴うコスト削減効果は固定費を中心に年間2億円程度。また閉鎖を予定する名寄工場から2号機、特殊ライナー、特殊板紙マシン(年産4万7,000t)を移設し22年4月に稼働を開始する。
苫小牧工場の新聞用紙生産能力は年間約90万トンだが、近年は新聞用紙の需要が落ち込み、19年度の生産量は70万トン程度だった。今後も需要減少が見込まれるため、設備の統廃合を決めた。 同工場の抄紙機は新聞用紙7機、微塗工紙用1機の計8機だった。
約520人の雇用は維持する。10月以降の新聞用紙生産は残る抄紙機5機で効率的に進める。
また王子HDはこの他に生産体制を見直すため富岡工場(徳島県阿南市)の印刷情報用紙を生産している9号マシン(19年度末停止)と、特殊紙などを生産している王子エフテックス江別工場の1号および4号マシン(いずれも20年度上期停止予定)を停機する。
これらの対応に伴う生産能力削減量は年間40万トンで、固定費を中心とするコスト削減額は年間37億円としている。一連の停機や設備改修・移設に伴う投資額は概算で150億円規模となる。