インドネシア輸入再開:古紙価格反発も原紙需要弱く上値重い

  ■ インドネシア輸入再開:古紙価格反発も原紙需要弱く上値重い

2020年1月24日

昨年末と年明け早々に2020年第1四半期の古紙輸入ライセンスが交付された。 公表された2回の交付総量は319万880t。昨年の第1四半期総量503万518tに対しおおよそ60%程の発行量となった。 

環境及び輸入通関に関する基準制定の遅れからインドネシア向けの古紙輸出が一時ストップしていたが、年末から再開したことも重なり旧正月明け船着分の古紙輸出価格は若干反発している。 

また米中貿易戦争の一服感と段ボール原紙の関税が下げられたこともあり、中国向け段原紙輸出も回復傾向にベトナムメーカーに旧正月明け船積み分の原紙発注が戻ってきているという。 

さらに原料となる古紙価格が昨年6月同様過剰に下落していたことから各国の古紙輸出が鈍化、旧正明けの資材調達の為適正価格へと振れ戻しをしている状況だ。 旧正明け船着分のアジア相場はCIF VIETNAM $95-100(CY7.0-7.5) CIF INDNESIA $95-100(CY8.0-8.5) 、CIF THAILAND $85-90 台湾向け$80-85 (CY 7.0~7.5)と約\1円~2円戻した形だ。

しかしこのまま古紙価格が120㌦を超え回復していくには需給と環境要因が弱く、1月第三週の旧正月直前から中華系メーカーはその購買姿勢を弱めている。 旧正月明けの交渉再開後の価格動向が気になるが、今年も昨年同様古紙の流通価格が回収コストの採算分岐点を下回るか否か、景気動向と原紙の需給、製紙メーカーの古紙購買意欲の如何によって価格は上下すると思われる。 

古紙の輸出国である先進国各国では古紙の逆有償化が進んできておりその採算価格は下がってきているが、本年より採用される海上運賃のLSS(低硫黄燃料サーチャージ)等による運賃値上がりもあり、その分岐点を探る形になりそうだ。

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