■ マーケットハイライト:中国の経済活動再開、古紙・原紙共に価格反転
2020年7月
5月以降軟化傾向にあった輸出古紙相場が底を打ち再び強含みの相場となった。
先進国の都市封鎖により輸出需要の減退した東南アジアを中心に価格が軟化していたが、中国では5月の連休以降都市封鎖が解除され、原紙・古紙価格共に価格が上昇していた。
各地経済活動が再開する中で製紙企業は大型休転を実施、原紙在庫の調整を行い値上げを慣行。また5月下旬から中国広域で発生した大雨・洪水の影響により古紙の回収が停滞し、原紙物流も止まった事が値上げを後押しした。
さらに7月初旬、玖龍紙業は週に2度にわたる値上げをアナウンス、5月初旬の底値に比べ2か月で60~80㌦近い値上げを実施した形となった。実需の伴わない強行的な値上げに段メーカーの抵抗は強く7月19日頃一部のエリアで原紙の買い控えが起きた事により古紙価格も3日連続で300~400RMB値下がりしたが、翌週には再度古紙の調達価格を引き上げた。
原因は米国に於いても二次感染が拡大、回収が再度鈍化を始めていること、船会社が改定環境防治法の施行に合わせ9月1日以降の古紙の船積みを停止する旨のアナウンスを始めた事が大きいとみられる。
法的には古紙の輸入ライセンスは年内有効だが、シップバックリスクも踏まえコンプライアンスの側面から船社が自主的に船積みを見合わせる動きが広がっている。すべての船会社が同様の動きをしているわけではないが、9月以降の船着となれば欧米からの船積みは実質間に合わない状況となっており、日本品への引き合いが強まっている。