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古紙輸出価格若干反発:回収減に危機感

  ■ 古紙輸出価格若干反発:回収減に危機感

2019年7月30日

年初から右肩下がりに下落していた輸出古紙価格も7月初旬ごろから中華系製紙メーカーが日本の古紙に値段をつけ始め、若干価格がリバウンドした。 

6月末時点ではCIF ASIA 85-90㌦(CY\8/kg)前後まで下落していたJOCCも7月末現在110-130㌦(CY11.0-11.5)付近まで回復し、現在は安定している。 

米中貿易戦争による原紙需要の低迷は続いており、古紙需要そのものが回復したわけではないが、下がりすぎた古紙価格に日欧米共に古紙出荷が鈍り思う様に調達ができなかったことが原因の様だ。 

日本では7月末に岳南排水や各社SDが控え製紙メーカーの在庫は重いものの、古紙問屋の在庫はこの数ヵ月先売りで出荷置き場にスペースができたところにこの価格のリバウンド、急いで契約を決めず慎重に価格動向を見守っている様子だ。 また冷夏により飲料、アイス、ひいては農作物用段ボールの出荷が減ったことに連動して古紙の発生が悪かった事も輸出出荷を鈍らせた。

今回の価格変転は7月10日に発表された第10回目中国古紙輸入ライセンスに合わせるように中華系製紙メーカーがJOCCの購買を再開したことがきっかけとなったが、米国古紙を買い過ぎない様にと中国政府からの指示があったとの噂もある。 東南アジアメーカーも古紙価格が下がりすぎたことによる品質悪化や調達難を危惧していた所で価格調整もやむなしといった反応、古紙購買の先陣を切った中華系に続き、追随する形で若干価格を調整した。 

発表されたライセンスは第3四半期分に該当し数量は168万7,070t、本年度発行済み合計数量は約992万tとなった。 

今年1,100~1,200万tのライセンスが発行されると言われ大よそ予定通りの数量発行となったが、中国の通関統計では5月末時点で442万tが輸入されており、各社計画的に調達する意向に間違いない様だ。 今のところ米中貿易戦争は和解しておらず、中国の輸入規制と2020年問題も継続している事から原紙・古紙需要共に回復したとは言い難い。 

第3四半期ライセンスの発行による一時買いと、下がりすぎた古紙価格がインフラ維持レベルまで調整されたといった所ではないだろうか。 

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