■ 新型肺炎蔓延も、物資不足で古紙価格は上昇
2020年3月
新型肺炎が蔓延し欧州、東南アジアやアメリカの幾つかの州ではロックダウンが宣言され、そうでない地域も不要不急の外出制限、イベントの自粛などが相次ぎ世界的な景気減速が表面化してきた。
世界の経済牽引役である米国および中国も大きな経済損失となる見通しで、米国の4~6月実質GDPは前年度比24%減、失業率も最悪9%にまで拡大する見通しとなっている。
テレビでは専門家が世界恐慌にまで発展しうると警鐘をならしている。 紙・板紙の需要は経済とGDPに連動する為、今後世界的な景気減退に伴う紙需要の減少が不安視されるが、日本国内ではテレワークや外出自粛により大手段ボール会社の手掛ける通販や日用品、食料品や缶ビールなどの需要が伸び意外にも目先の包装需要は悪くないとの話も聞く。
一方で市中回収を行っている古紙問屋によると容器包装古紙の発生は増えているものの、段ボール古紙の発生は減少しており前年度比1~1.5割ほど減っている地域もあるとの事だ。
株価は連日大暴落、部品供給不足や貿易物流の制限により工業系の包装需要は鈍化しているものの、新型肺炎の発症以降、輸出古紙価格だけが不気味に価格を維持している。
特にEOCCの供給が滞ったベトナムからの引き合いが強く、現在の相場はJOCC CIF VIETNAM $160-163(CY13.5-14.0/kg) CIF TAIWAN $135(CY13.0-13.5/kg)となっている。