■ マーケットハイライト:コンテナ不足から古紙価格上昇。原紙価格もアップトレンドに
2020年12月25日
日本からの古紙輸出がコンテナ不足により困難な状況は依然として続いている。
東南アジアでは古紙不足から操短を余儀なくされるメーカーもでており、古紙価格は200㌦を超えAOCCは230㌦付近まで高騰した。
北米からの古紙輸出は一部コンテナが取れ始めており輸出が再開されている様だが、東南アジアの地元回収古紙が250㌦を超えているため、メーカーは買いの手を緩めていない。また一部の船会社が中国を経由する本船に古紙を積む事を敬遠する動きをみせており、物流制限の条件が増えそうだ。一方で高騰する古紙価格によってアジアの段原紙価格は上昇傾向にあるものの、価格転嫁が十分にできていない国もある。
秋需が終わり年明け2月11日から旧正月となり不需要期に突入する事や不採算から、原紙輸出自体を断念するメーカーもでている。ベトナムでは物流難から輸出用原紙が国内に還流し古紙のコストアップ分の価格転嫁が遅れている様だ。台湾では古紙自給率は60%程度、3~4割は輸入に頼っており、古紙不足に中国からの原紙引き合いが重なり原紙不足が発生している。
韓国では10月の新大洋製紙の火事で中芯原紙が供給不足となり、輸入古紙価格の上昇も重なって価格が急騰した。
来月から中国は古紙が輸入禁止となるが、欧米での都市封鎖の再開やコンテナ不足により予想と反し古紙需給は狂い価格が上昇している。原紙価格の上昇幅は国によってまちまちだが、物資不足と金融緩和により世界的にインフレ傾向、21年は古紙・原紙共に乱高下を繰り返しながら上昇方向でシフトしていくのではないだろうか。