■ マーケットハイライト:古紙価格は一桁台中盤、年明けの出荷に不安
2019年12月
年末船積み販売契約分の出荷予定はおおよそ確定したが、古紙以外の貨物も旧正月前の為出荷が集中しコンテナドレーが確保できず、これ以上の年内出荷は難しい状況だ。
しかし古紙問屋の在庫状況は依然として高水準、現時点ですでに年明け出荷を確定したい旨の依頼が来ている。 現在旧正月明けの船着分(1月中旬以降のバン詰め)に於いて交渉中だがCIF東南アジア $80-85㌦、CIF台湾は$60-65㌦(CY4.5-5.0)前後でのオファーとなりそうだ。
インドネシア向けの輸出が止まっている事から、他商社からの安価なオファーが台湾やベトナムに集中しており価格下落に過剰感がでている。 今年6月頃下がり過ぎた古紙価格に各国からの輸出量が減少し一時価格が反発したが、米中貿易戦争の影響で原紙需要が悪い事とインドネシア問題から古紙価格は再度下落を始め、現在は当時の価格を下回る水準まで達している。
当時からすればもう一段階古紙問屋の平均仕入れ価格は下がってはいるものの、各国の古紙回収コストを割り込んだこの相場に各国古紙回収のインフラは維持できるのだろうか。
さらに来年の中国古紙輸入ライセンスは600~500万tになるだろうと予測されている。中国製紙メーカーはその殆どを米国古紙の買い付けに割り当てるとの方針で、来年はさらに段ボール古紙の余剰が予測される。