■ 中国国内、景気減退が表面化
2020年3月
3月下旬を迎え、中国での封鎖が徐々に解除され始めているが、大企業を除く一般工場の稼働率は未だ50~70%前後、景気後退が表面化。
それまで原紙供給の不安感から海外への発注を増やしていたコンバーターもその購買意欲が下がり、国内原紙価格は再度下落に転じた。
また古紙回収業者の稼働開始も国内古紙価格を軟化させた。 それに伴い東南アジアメーカーも一時古紙購入価格を軟化させたものの、AOCC及びEOCCがコンテナ不足や都市封鎖から思うように調達できず、特にAOCCを主原料とした中国向け再生パルプが生産できていない。
何とか古紙在庫を増やしたい各メーカーの資材部門、特にベトナムはその購買価格を再度調整したことが価格の高止まり要因となっている。 さらに稼働を始めた中華系メーカーもAOCCや上記理由によって再生パルプが調達できておらず、やむを得ずJOCCに引き合いをだす動きもみられる。
古紙原料の「無い無い」づくしの悪化による古紙価格の高止まりは続いているものの、新型肺炎による世界経済の低迷と、各国のロックダウン(封鎖)による物流のストップは古紙需給をどこかのタイミングで一気に狂わせる可能性を孕んでいる。