■ 欧州古紙発生減に船積み遅れ 4月は復活祭など大型休暇控える
2023年3月11日
欧州域内での消費減退と製紙休転によってEOCC価格は他エリア古紙より先じて軟化傾向にあったが、3月初旬につけた135-140㌦を底値に10㌦前後反発した。背景にはインフレによる消費減退で古紙の発生が悪く、船積みが遅れている事が要因となっている様だ。また4月はイースター(キリスト教の復活祭)が控えており、宗派によるが、4月7日から17日の間、4日程度各地で休暇となる兼ね合いから、さらに回収が減り、船積みが遅れるのではないかとの懸念がでている。またタイに於いても4月は建国記念日にソンクラーンと呼ばれる旧正月があり、休日が多い月となっている。各地での古紙発生減懸念からインド製紙企業は古紙の買値を若干上げてきたようだ。
一方で、中国の段原紙需要は悪く、東南アジアメーカーは発注減に苦しんでいる。特に中国への段原紙輸出比率の高い台湾では古紙需要も減退傾向で、AOCC#11価格はアジアでもっとも安い150㌦にまで下落した。また、中国向け再生パルプ需要も悪い。マレーなど中華系製紙企業の再生パルプ工場は古紙価格の上昇に抵抗感が強い。