■ コンテナ船造船数急増 船社過去最高益と需要拡大
2022年4月26日
2021年の日本の新造船契約実績は、前年比約2.1倍の1521万総トンで隻数は172隻増の318隻となることが明らかとなった。受注量が1500万トンを超えたのは、2015年以来6年ぶりとなる。 また2022年4月初旬時点でアジア―北米航路の運航船腹量は575万TEUと、前年同時期に比べ24%増となった。 海上運賃のいい北米航路に船腹を集中的に投入したことが要因だ。 中国系など新興船社の新造船投入が相次ぎ、北米航路に占める3大アライアンスのシェアは昨年4月の82・2%から67・7%に低下している。
新造船の発注が活発化したのは2020年の10~12月期からで、2021年の新規発注量は420万TEUで前年比4.2倍となり、14年ぶりに過去最高を更新した。これは20年までの10年間の平均発注数の3.5倍にあたる。世界のコンテナ船の輸送能力を1年間で2割以上増やすこととなる。
一方で3月の日本から北米向け貨物量は前年同月比1・2%増の5万8408TEUと微増したが、そのうち第三国でトランジットされ北米に運ばれた貨物の量が前年比40%増の2万616TEUと大幅に増加している。背景には多くの船会社が日本へ寄港する事を取りやめた事で直行便が少なくなっている事があげられる。船会社の日本離れも深刻だ。