■ カナダ洪水で物流混乱 パルプ供給に影響 先物価格上昇
2021年12月10日
今年5月、中国政府のインフレ抑制政策によって大きく下落した 上海パルプ先物価格は、その後も中国の需要冷え込みを背景に価格の軟化が続いていた。 しかし11月中旬以降価格が反発している。 価格が反発しだした11月17日に4860RMB($704/t)であったNBKP先物価格は、12月10日に5848RMB($847/t)と半月で20%近く上昇した。
先物市場が反発した理由は、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州における洪水の影響で土砂崩れが発生し、バンクーバー港発着の鉄道貨物輸送が全面的に停止。 主要道を含む多数の高速道路も通行止めとなった為パルプの供給に影響が出た事が要因となった。 カナダ北西部からのパルプ出荷量は通常の20%、木材出荷量は25~30%程度まで減少している。
バンクーバー港の1日当たりの貨物取扱高は4億4000万米ドルに上り、自動車から生活必需品に至るさまざまな貨物の輸送拠点となっている。 小麦や石炭、木材の輸出供給量に大きな影響が出ることが懸念されている。
北米大手パルプ企業のCanforパルププロダクツ社は、大規模な物流断絶により、ノースウッドパルプ工場でNBSKを最低2週間、テイラー・パルプ工場でBCTMP生を最低4週間の減産を発表した。