■ 日本国内段原紙価格値上げ。値上幅は10円。国内古紙建値も輸出高を踏まえ3円の調整。
2017年6月26日
当初日本製紙と興亜興業による原紙値上げ発表に際し、沈黙を守っていた大手2社もコートボールの値上げを皮切りに相次いで製品値上げを発表した。
6月26日にレンゴー社段ボールは8月1日から段原紙価格を10円値上げする。王子製紙は古紙の買い取り建値変更を発表した。段ボール古紙 価格はキロあたり15円 → 18円 新聞古紙 は14 円→ 17円 雑誌古紙 12円 → 15円と3円づつの値上げとなる。日経指標をベースに仕入れを行っている古紙問屋は今後この建値改定によって大きな影響を受けると思われる。
古紙建値変更を発表してほどなく王子製紙も原紙値上げを発表した。8月1日から10円の値上げとなり、6月30日にはカミ商事、大王製紙と相次いで値上げを発表、日本製紙も古紙建値値上げを決断し、さらに7月3日レンゴーは古紙国内古紙建値を撤廃する事を発表した。レンゴー社のコメントで「実際に建値で購入している古紙は1㌧もない。」といった発言は古紙問屋の反感を買い、荷動きに影響すると思われたが、実際には輸出を上回る国内製紙メーカーの買値に輸出よりも国内優先で出荷する問屋が多い様だ。
本格的な値上げムードとなった板紙市場に於いて7月中旬にはほぼ全社値上げが出そろった。
値上げ初期段階では値上げに対し否定的であった原紙需要家や段ボールメーカー等も製品添加への動きが活発化している。原紙値上げが8月1日、ケース等製品の値上げは10月1日をターゲットに各社値上げを発表しだしているという。
段ボールシートの値上げは、王子グループが旧値から15%、森紙業は8円、トーモクは8月1日に製品値上げの発表を日経新聞に記載すると噂されている。専業系再大手のトーモクが製品値上げを発表すれば原紙に続き製品も一気に値上げモードに入ると追われる。同じく専業大手のダイナパックもお盆には製品値上げをプレスリリースに発表すると言われ、8月中には大手を中心に製品の値上げ方向が打ち出されそうだ。
今回の原紙値上げに際して気になる今後の日経指標だが、実際の価格差が今回の値上げでどういう形で表記されるかが気になるところだが、こちらの価格もレンゴーを中心に改定の動きがあるようだ。