インド紙価格急上昇 原材料の高騰とインフレ 肺炎からの経済回復で需要も拡大

  ■ インド紙価格急上昇 原材料の高騰とインフレ 肺炎からの経済回復で需要も拡大

インド紙価格急上昇 原材料の高騰とインフレ 肺炎からの経済回復で需要も拡大

2022年3月14日

新型肺炎の感染者が減少し経済活動が再開した所へウクライナ情勢の悪化や石炭・天然ガスなどの価格高騰により、インド国内では全ての紙種に於いて値上げが相次いでいる。3月1日に上質紙及びコート紙価格が㌧当たり20ドル値上げされ、今月は4回(各20㌦ずつ)の値上げが予定されている。また段原紙に於いても値上げが予定されており、現時点で対前年度同期比70%以上上昇している。 一方、段ボールは白物家電や電気製品、衣料品の梱包に利用されているが、段ボールメーカーは原紙価格上昇の5割程度しか価格に転嫁ができておらず、収益が悪化している。さらに人件費やスターチ、薬品など間接費も60-70%上昇した。インド段ボールケース製造協会(ICCMA)のサンディープ・ワドワ会長は「インドの段ボール業界は350カ所の大規模製造工場と、10000万台以上は中小零細コルゲーターで構成されており、その殆ど中長期的な資金繰り悪化に耐える事はできない。」と警鐘をならしている。 

中国が古紙を輸入禁止にしたことにより代替え素材としてのパルプ価格は上昇、またインドからも段原紙を輸入する様になった。 また段原紙のみならず再生パルプも購入する為、インドの製紙企業は大量の再生パルプを生産し中国向けに輸出た。これによりインドの段原紙需給はかなりひっ迫する結果となった。  一方、製紙側からは古紙価格がパンデミック前の二倍の価格になっている上に、海上輸送が高騰しすべての原材料が値上がりしている。そこへ昨今の原燃料価格の高騰が重なった事により、急激なコスト増を原紙価格へ転嫁せざるをえない。それでも段階的な値上げにするなど努力も重ねてきた。業界全体が厳しいとの意見が強い。

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